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アルゴン溶接でサイドブレーキレバーの改造、ステンレスと鉄の異材溶接

2018年08月03日

鉄とステンレスの溶接

こんにちは。

 

 

先日車でジムカーナ(競技)をしていたのですが、サイドブレーキを強く引いた瞬間にバキっとレバーが折れてしまいました。

初めての公式戦だったので、ついでに心も折れました。

折れたサイドブレーキ

 

 

 

さておき、このままでは停車時なども含めて色んな意味で困るので、折れないサイドブレーキを作っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

とりあえず折れたレバーを分解して、この黒い根元の台座部分のみ再利用し、ここから上の部分(写真右上)は強度を優先させて作り直そうと思います。

分解したサイドブレーキ

 

 

 

ステンレスの板をバンドソーで切り出します。

切ったステンレス板

 

 

 

この3枚をサンドイッチしてTIGで仮止めし、空いた隙間の部分に奥の黒い台座部分を取り付けて、ボルトで固定します。

仮溶接したステンレス板

 

 

 

台座部分のいい位置に大きめの穴が空いていたので、穴と同じぐらいの大きさの〇い板を圧入しまして

空いた穴を埋める

 

 

 

TIGで一周ぐるりとナメ付けします。

穴を埋める形で溶接

 

 

 

後は溶接した箇所をグラインダーで削ってしまえば、溶接の痕は分からなくなり、穴埋めの完了です。

溶接した部分を削った状態

 

 

 

穴を埋めた台座部分とステンレスのサンドイッチ部分を組み合わせて、レバーを引いた時の芯となる位置に穴を開け、ボルトを通した状態にして動きを確かめます。

引っかかりなどもなく、いい感じです。

板挟みにしたサイドブレーキレバー

 

 

 

動きがOKだったのを確認して、ステンレス板を本溶接します。

この際、歪んでボルトが入らなくなったら困るので、通したままにして溶接しました。

固定して本溶接

 

 

 

続きまして、ホームセンターで買ってきた建築用の鉄の棒と、ステンレスの摺動部分を溶接していきます。

建築用の鉄丸棒

 

 

 

こちらの鉄の棒は錆びないようにメッキが表面に施してあるため、このまま溶接しようとするとメッキ成分が悪さをします。

ですので、表面のメッキは何かしらの方法で落とす必要があります。

旋盤に丸棒をチャックして取り付け

 

 

 

今回は旋盤に棒を咥えた状態でゆっくりと回転させ、スコッチを押し付けて剥がしました。

スコッチでメッキ落とし

 

※今回は小径の丸棒だったので回転数遅めでこんな事してますが、手が巻き込まれたりしたら危険ですので、通常はグラインダーや紙やすりなどを使って作業した方がいいと思います。

 

 

 

 

メッキ剥がしが終わったので、ステンレスの板と鉄の棒を溶接していきます。

メッキの剥がし具合が甘かったようで、若干溶接時に火花が飛んだりしましたが、溶接自体は鉄とステンレスの場合OKです。

鉄とステンレスのTIG溶接

 

 

 

同じく鉄とステンレスの溶接になります。

こちらは溶接棒は入れずに、パルスを使ってナメ付けで溶接しています。

鉄とステンレスの溶接

 

 

 

ステンレス板の部分にもう少し高さが欲しかったので、溶接棒を入れて何度か肉盛りを繰り返しました。

このままでは見た目が汚いのですが、この後にグラインダーをかけることで

ステンレスの肉盛り

 

 

 

こんな感じに修正できます。

溶接ビードを削って平らに

 

 

 

この上にもう一枚鉄板を溶接していきます。

バンドソーで切った鉄板を、ゴラインダーやホールソーで加工した物です。

サイドブレーキ部品の溶接

 

 

 

一周ぐるっと溶接しました。

円形に隅肉溶接

 

 

 

こちらは車体に取り付ける足の部分なんですが、強度の問題でボルト止め箇所を増やすために、穴を空けたフラットバーを溶接しました。

取り付け足部分の補強溶接

 

 

 

サイドブレーキレバーの位置を把握するために、車体に仮付けしてみたところ、予想通りシフトレバーとの干渉していましたので

シフトレバーとサイドブレーキレバーの干渉

 

 

 

GSカッターで炙って曲げていきます。

ちなみに、アセチレンを使う通常のガス切断機と比べて炎が集中するので、パイプの手曲げなどには適しませんのでご注意ください。

こういった丸棒程度であれば大丈夫かと。

鉄の棒の炙り曲げ

 

 

 

仕上がりはこんな感じです。

メッキを剥ぎ切れてなかったのが原因か、色が変色していますが気にしないことにします。

炙って曲げた鉄の棒

 

 

 

 

最近、パルスを使う事を覚えたので、こういった小物でも溶接しやすくなりました。

溶接自体を本職とされている職人さんには全然かないませんが、お客様とつながることで、逆にプロの技を教えてもらったりできるので、ありがたく思っています。

ナットをステンレス板にTIG溶接

 

 

 

完成写真はこんな感じです。

そのままにしておくと、鉄の部分はサビてしまいますので、ビニールテープを巻いて養生しました。

塗装してもよかったんですが、ビニールテープから下は見えなくなるので、こんなものでいいかなと。

加工したサイドブレーキレバー

 

 

 

 

何度か他の記事でも上げましたが、鉄とステンレスは問題なく溶接できます。

今回は溶接棒に308を使用しましたが、特に違和感なく溶接でき、溶接が外れたりもそう簡単にはしないと思います。

一応、鉄とステンレスの溶接の場合、309の溶接棒がいいそうです。

 

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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