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ファイバーレーザーとは?特徴や仕組み、溶接や他の用途、デメリット

  • 公開日:2024年07月10日
  • 最終更新日:2024年08月06日
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ファイバーレーザーは、溶接や溶断などの分野において革新的なレーザーです。
本記事ではファイバーレーザーの原理や仕組み、応用事例や最新技術などを解説します。ファイバーレーザー溶接機等の導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
また、WELDTOOLは、ファイバーレーザー溶接機を始めとする様々な溶接機を扱う専門店です。
ファイバーレーザー溶接機WT-FL1500Mは、操作パネルで簡単にビード幅やワイヤーの送給を設定でき、初心者でも少しの練習でプロ並みの溶接を可能とします。
溶接作業の生産性をアップさせるために、ファイバーレーザー溶接機の導入を検討されている方は、WELDTOOLにお問い合わせください。

 

 

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1.ファイバーレーザーとは?特徴や原理、仕組み

 

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ファイバーレーザーは、光ファイバーでレーザー光を生成するレーザーです。従来のレーザー技術(CO2レーザーやYAGレーザー)よりも高い効率性と精度を備え、製造や医療などの産業分野において重要な役割を果たしています。
ここでは、ファイバーレーザーの特徴や他のレーザー技術との比較について解説します。

 

(1)ファイバーレーザーの特徴

 

ファイバーレーザーは、固体レーザーの一種で、光ファイバーをレーザーの増幅媒質として使用するレーザーです。光ファイバーを利用することにより、高いビーム品質と効率が実現できます。

 

半導体レーザーなど他のレーザー技術と比較するとメンテナンスが容易で、ランニングコストに優れる点が特徴です。また、コンパクトな設計が可能なため、省スペースで設置可能です。

ファイバーレーザーなら業務効率の拡大と長期目線で優れたコストパフォーマンスが期待できるでしょう。

 

 

(2)ファイバーレーザーの原理・仕組み

 

ファイバーは、下図(左)のように光の屈折率の高い素材(コア)屈折率の低い素材(グラッド)で構成されています。

 

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レーザー光は以下のように発振します。(上図右参照)

1.励起光が、増幅媒体であるファイバー構造に入射

2.入射した励起光は、ファイバー内を全反射しながら進み、コアを通過する際にレーザー光が発生

3.レーザー光はコア内で励起を繰り返し、増強していく

コアには希土類元素(エルビウムやイッテルビウムなど)をドープしてあります。励起光は、コアを通過する際に希土類元素を励起状態にし、励起された原子は、高エネルギー状態から基底状態に戻る際に光子を放出します。

また、波長は希土類元素の種類によって決定します。

 

図に示した以外にも、励起光を供給する装置であるポンプダイオードや、高出力のファイバーレーザーから発生する熱を効率的に除去する冷却システム、ファイバーレーザーの動作を管理し出力の調整や安全性の確保を行う制御システムなどで構成されています。

 

(3)他のレーザー技術との比較

 

ファイバーレーザーが他のレーザー技術よりも優れている点は、以下の通りです。

 

ファイバーレーザー CO2レーザー YAGレーザー
寿命 100,000時間 約3,000時間 10,000 時間
消費電力
ビーム品質 非常に高品質 高品質 中程度

 

 

CO2レーザーは金属加工において広く使われていますが、ファイバーレーザーはCO2レーザーよりも緻密な加工が得意です。

また、YAGレーザーはパルスレーザーとしての使用が多いですが、ファイバーレーザーは連続出力が可能であり、高出力を維持しながら長時間の稼働が可能です。

 

また、ファイバーレーザー溶接とTIG溶接の比較は以下の動画が参考になります。

 

 

 

2.ファイバーレーザーの種類

 

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ファイバーレーザーは産業において様々な用途で用いられていますが、出力方式は用途によって異なります。ここでは、ファイバーレーザーを種類ごとに紹介します。

 

(1)連続波ファイバーレーザー

 

連続波(Continuous Wave:CW)ファイバーレーザーは、連続して光を出力するレーザーです。

 

特徴は以下の通りです

・安定した出力を維持しながら長時間動作することが可能

・高出力である上ににもかかわらずビームの品質が高い

・消費電力が少なく、メンテナンスの頻度も少ないため、ランニングコストに優れている

 

これらの特徴から、金属の切断や溶接、材料加工といった用途で広く利用され、精密な加工を必要とする場面でも優れた性能を発揮します。

 

(2)パルスファイバーレーザー

 

パルスファイバーレーザーは、短時間で高いピークパワーを出力するレーザーです。

 

特徴は以下の通りです。

・瞬発力に優れる特性により、微細加工やマーキング、医療用途でも活躍

・パルスの長さに応じて、ナノ秒レーザー、ピコ秒レーザー、フェムト秒レーザーといった種類がある

 

ナノ秒レーザーは比較的長いパルス幅で、表面の加工や粗削りに適しています。ピコ秒レーザーやフェムト秒レーザーは、短いパルス幅を持ち、非常に精密な加工や微細な構造の作成に利用されます。

ナノ秒レーザーやピコ秒レーザーなどのレーザーは、材料への熱影響を最小限に抑えつつ精密な加工を行うことができるため、緻密な技術力を要する現場で重宝されます。

 

(3)モードロックファイバーレーザー

 

モードロックファイバーレーザーは、特定のモードだけが共振するように設計されたレーザーです。

 

特徴は以下の通りです。

・モードロックにより、ピコ秒やフェムト秒などの超短パルスを生成可能

・精密な加工や科学研究において重要な役割を果たす

 

超短パルスは、材料に対する熱影響をほとんど与えずに加工を行うことが強みであり、微細な構造の作成や高精度な計測が求められる分野でも利用が可能です。

モードロックファイバーレーザーは、安定性と精度から、光通信や非線形光学などの先端技術の研究にも欠かせないツールとなっています。

 

3.ファイバーレーザーのメリットとデメリット

 

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ファイバーレーザーは、高い性能と多用途性から複数の産業で注目されていますが、メリットだけでなくデメリットも存在します。本項では、製造業におけるファイバーレーザーのメリットとデメリットを解説します。

 

(1)メリット

①高出力と高精度

ファイバーレーザーは、高出力と高精度を兼ね備えている点が主なメリットです。高出力により、厚い金属の切断や大規模な溶接が可能であり、産業用の大型設備や自動車部品の製造において有効です。

さらに、ファイバーレーザーはCO2レーザーやYAGレーザーなどの従来のレーザーと比較してもビーム品質が高いため、非常に細かい部分まで正確に加工することができます。

 

②高い耐久性

ファイバーレーザーは、高い耐久性があります。

光ファイバー自体が堅牢であり、衝撃や振動に強いため、過酷な作業環境でも安定した性能を発揮します。

 

③運用コスト

ファイバーレーザーは、長期的なコストパフォーマンスの高さが期待できます。

レーザー発振器の寿命が長く消耗品の交換も少ないため、比較的安い運用コストで長く使えます。また、エネルギー効率が高く、電力消費が少なく済む点も特徴です。

 

 

(2)デメリット

 

①初期導入コスト

ファイバーレーザーは、初期導入コストが高額です。大規模な加工を得意とする高出力モデルや、専用にカスタマイズされたシステムは特に初期投資が大きくなる傾向にあります。

 

②専門知識とセットアップの複雑さ

ファイバーレーザーのメンテナンス頻度は非常に低いですが、メンテナンスには専門知識が必要です。また、システムの設置とセットアップが他のレーザーシステムよりも複雑なため、ファイバーレーザーに精通している専門家の適切なサポートが全体を通して必要になります。

 

WELDTOOLファイバーレーザー溶接機WT-FL1500Mなら、初心者でも少しの練習でプロ並みの溶接が可能となる使いやすさと、高性能なのに210万円(税抜)という圧倒的なコストパフォーマンスが特徴で、ファイバーレーザーのデメリットを最小限に抑えることができます。

販売・サポートともに専門知識のあるスタッフが直接対応するので、初めての購入でも安心です。

 

 

 

4.ファイバーレーザーの用途と産業への応用

 

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ファイバーレーザーは、精度と効率性の高さから自動車産業航空宇宙産業など幅広い現場で採用されています。

本項では、具体的な用途例として、金属加工、医療機器、エレクトロニクスの分野におけるファイバーレーザーの活用を紹介します。

 

(1)金属加工

ファイバーレーザーは、金属加工において切断や溶接などの重要な役割を果たします。

高出力のファイバーレーザーは、ステンレス鋼やアルミニウムなどの厚い金属を素早く高精度で切断できます。ファイバーレーザーの切断技術は、断面が滑らかで、後処理の手間を減らせることが強みです。※ファイバーレーザー切断機(加工機)
ファイバーレーザーによる溶接は、従来の溶接技術と比較して深い溶け込みと高強度を実現しています。自動車産業や航空宇宙産業など、精密かつ頑丈な部品が必要とされる分野で、品質向上に貢献しています。

 

(2)医療機器

医療機器の製造においても、ファイバーレーザーは欠かせません。微細かつ精度の高い加工が必要な医療機器の製造では、ファイバーレーザーの高いビーム品質が役立ちます。例えば、外科手術用の器具やインプラントの製造において、ファイバーレーザーは非常に細かい部分まで正確な加工が可能です。

 

その他レーザー技術を用いた医療機器は、手術の際に使用されるレーザースカルペルやレーザーアブレーション装置など、高度な治療技術を支えています。レーザー技術の向上により、手術の精度と安全性が向上し、患者の回復時間の短縮にも役立っています。

(3)エレクトロニクス

エレクトロニクス分野では、ファイバーレーザーの応用が特に広がっています。スマートフォンやタブレットなどのデバイスを製造する際に、加工技術に優れたファイバーレーザーの存在が欠かせません。精密な回路パターンの刻印や微細な部品の接合において、ファイバーレーザーの高精度な加工能力が活用されています。

 

さらに光通信分野では、ファイバーレーザーが信号の増幅や光ファイバーの切断に利用され、高速かつ高容量の通信インフラの構築を支えています。

ファイバーレーザーはエレクトロニクス分野での技術革新を促進し、製品の品質と性能を向上させています。

 

 

5.ファイバーレーザーの最新技術

 

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ファイバーレーザー技術は、市場のニーズに合わせて日々進化を続けています。ファイバーレーザーを取り巻く技術変化では「自動化とAI」と「新素材の利用」がポイントです。

これら二つの要素がファイバーレーザーにどのような進化を与えているのか、紹介します。

 

(1)自動化とAIの導入

ファイバーレーザーの自動化技術の導入によって、加工プロセスがより迅速かつ正確になり、人為的なエラーを減少させています。
たとえば自動車製造ラインでは、ファイバーレーザーを搭載したロボットアームが溶接や切断を行い、従来の溶接や切断よりも効率的な生産が可能です。

 

AI技術の導入は、レーザー加工の最適化も実現しています。
AIによって加工中のリアルタイムデータを解析し、最適なレーザーパラメータを自動で調整可能です。目視ではなく、データによってレーザーが最適化されるため、加工精度が向上し、高品質と材料のロスも削減できます。

またAIは、予知保全にも活用されています。レーザー装置の故障を事前に検知してメンテナンスを行えるため、機器のダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。

 

(2)新素材の利用

 

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ファイバーレーザー技術は、新素材の利用によってさらに進化しています。

新素材の例では、希土類元素をドープした新しい種類の光ファイバーがあります。新しい増幅媒質や光ファイバー素材の開発により、レーザーの性能が向上し、より多様な応用が可能となりました。

 

希土類元素はその電子構造とエネルギー準位の特性により、広い増幅帯域幅を実現し、優れた熱特性から高い耐久性を得ることができます。耐久性向上により、メンテナンスの頻度を減少させ、長期間使用できるためコスト削減に大きく貢献しています。

 

6.まとめ

 

ファイバーレーザーは、溶断・溶接における高精度・高出力を実現し、様々な産業での応用が進んでいます。

ファイバーレーザーがもたらすメリットを活かすことで、企業は生産性を向上させ、競争力を強化できるでしょう。

 

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