こんにちは。
いつもの車の部品作りになります。
今回はウイングのステーを鉄板を切り出して作りました。
ちょっとした理由で既存のステーだけでは強度的に不安がありましたので、ステー二つでウイングの足を挟み込むような形状にしたかった訳です。
要は既存のステーの形状に合わせて、同じ形状の物をもう1セット作ってみました。
それではご覧ください。
こちらのウイングの足を固定しているステー部分を製作していきます。
この表側よりも裏のステー側を写真に撮っておけば良かったのですが…この記事を書いている時には既に完成しちゃってるので時すでに遅しでした。分かりずらくてスイマセン。
同じものを作りたいので、取り外したステーを利用して鉄板にマジックでケガいていきます。
マジックをなぞるようにWT-100でプラズマ切断します。
この時、プラズマの光でマジック線が見えにくくなりますので、お持ちであれば溶接面などで遮光した方が見やすいです。
切り出した物がこちら。
マジックより内側に入ってしまったら修正が利かない(こともないんですが)ので、若干外側をなぞって切断します。
上記の形状の板が2枚必要ですので、クランプで挟んで同じようにグラインダーで削って仕上げます。
こんな感じで大体同じ寸法の鉄板が完成です。
ウイングの取り付け面に合わせてフラットバーを曲げた物を溶接していきます。
溶接はWT-TIG315を使用し、簡単な動画を撮りましたのでご覧ください。
板厚:3.2mm、電流:90A程度、溶接棒:2.0を使用
ちなみに今回の母材は軟鋼の厚み3mm弱しかありませんので、100VのWT-TIG160でも問題なく溶接可能です。
長かったので途中で止めましたが、軟鋼のTIG溶接はこんな感じになります。
内側も同様に隅肉溶接しました(奥の物は既製品)。
同じ位置に穴を空けるため重ねて固定したんですが、今回はクランプではなく、ほんの少しだけ点付け溶接して固定しました。
何で溶接して固定したかというかというと、クランプではドリルの振動でずれてしまう可能性があるからです。
今回は各穴の位置をキッチリ同じにしないとボルトを通そうとした時に通ってくれないですから、こうやってくっつけたまま穴あけした方が都合がいいのです。
ドリルで穴を空けている最中にも、力の入れる方向の加減で多少は位置調整が効きますからね。
ちなみに溶接した部分は、後でグラインダーでちょっと削れば簡単に外すことができます。
追加で必要なステーも作りました。
アングルを重ねて溶接し、ビードをグラインダーで削って穴あけした物です。
それを先ほど作ったステーに溶接してくっつけました。
材質は左が鉄で右がステンレスですが、鉄とステンレスの溶接は普通に可能です。
溶接が終わったところで、黒に塗装しました。
右手前の部分が汚いですが…どうせウイングの下側で見えないので気にしないことにします。
くみ上げたステーをウイングに装着するとこのような形になります。
速度が上がるにつれて(もちろんサーキットでの話です)大きな力が加わるであろうウイングですが、両側から固定することで頑丈になりました。
これは例えばの話なんですが、多少年式の古い車でちょっとしたパーツが必要な場合、同じ物があればいいけど無い場合ってとても困りますよね。
大した物じゃありませんが、こんな感じで同じものを作ったりもできますよという事で、今回のものづくりはそういった方々にご覧いただければと思います。
何かご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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