こんにちは。
前回の記事の続きになります。
今回は出来上がったラダーバーを既存のロールバーに溶接して、車体に取り付けていきます。
まずは出来上がったハシゴ部分とピラー止め部分を位置決めのため仮止めしていきます。
ピラーとの距離がだいぶ近いため、その周辺の樹脂系が溶けないかちょっと心配でしたが大丈夫でした。
さすがにそのまま本溶接は無理なので、面倒ですが一度車体から外して本溶接します。
ここに車体の捩れが伝わってくるはずですので、ぐるっと一周ガッツリと棒を入れて溶接しています。
今回作ったラダーバーの全体図です。
最初はピカピカにしようとしてグラインダーで磨いていましたが、溶接するためバイスプライヤーなどで固定する度にキズがついてしまうので、ある程度で諦めました。
今思えば、溶接が全て終わってから磨けばいいだけの話でしたね。。
集中というか、熱中して頭が回りませんでした。。汗
これを車体に溶接していきます。
上側はまだいいんですが、下側はかなりやりにくかったです。また真夏なのと日頃の運動不足も相まってフラフラでした。溶接工は今の時期大変でしょうね。。。
また、本来TIG溶接機は屋外の風がある所でする物じゃないんですが、さすがに既についているロールバーを外すのは面倒ですので、アルゴンガスを多め(12L/min程度)に出してそのまま溶接しています。
こんな感じになりました。
この部分も捩れが伝わってくるはずですので、溶接棒を多めに入れて肉盛りする感じで溶接しています。
かなり時間がかかりましたが、これで完成です。
光に反射して異常に輝いて見えていますが、実際はクランプのキズや磨き残しが多数あり、近くで見ると結構くすんでいます。
また視界が悪くなるのも嫌だったのでφ28のパイプで組んでいますが、ピラー部分に関してはもうちょっと太い物を使っても良かったかもしれません。
ラダーバーの効果についての個人的な考えですが、下の線はMR-Sを横から見たフレーム類の位置関係で、赤線が元のフレーム、青線が既存のロールバーを表しています(かなり大雑把ですが)。
左右のドアはフレーム剛性の面ではほとんど期待できないでしょうから、現状は赤線(フレーム)及び青線(ロールバー)のような構成で車体を支えている事になるはずです。
オープンカーなので仕方ないんですが、運転席の部分に関して言えば、前後を繋いでいるのはフロア部分のみなんですね。
ちゃんと考えて作ってはあるのでしょうが、形状を比較すると、_と□では剛性が段違いでしょう。
ここにラダーバー(黄色の線)を追加することで、このように運転席部分をボックス形状に結ぶことになるため、剛性あがるんじゃないかと思っています。
効果は近日中に行くミニサーキットでテストしていきたいと思います。
今回溶接したアルミは、厚みがパイプ部分で3mm、板は8mmあったので比較的やり易く、アルミの溶接は難しいと思われている方も多いのですが、慣れてしまえば意外と普通に溶接できます。
ただ、アルミを溶接する前の母材側の下準備や溶接機の調整がきちんとできていないと上手くいかないのも事実です。
弊社では各種溶接機にはフルカラーの取り扱い説明書をお付けしており、それでも分からないことがありましたら、電話orメールでのご質問を受け付けております。
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