こんにちは。
以前にもアルミホイールを溶接する動画は上げていたのですが、今回自分で使う予定のホイールのキズを溶接→研磨→塗装と、一連の補修しようと試みました。
その道のプロではありませんので、工程が合っているかは分かりませんし、溶接以外は初めてなので失敗もしてしまいましたが、興味のある方はご覧ください。
ドナーはこちらの定番?の軽量ホイールRPF1です。一か所いい感じにガリってますね。
リム周辺にかけて若干凹んでおり、エア漏れはありませんとのことでしたが、スポーツ走行で縁石を踏んだ際にトドメを刺してプシュっといっちゃったら困るので、溶接補修することにしました。
グラインダーやペーパーでキズ周辺を慣らして、溶接の下準備をします。
溶接すると母材は相当熱くなるので、ある程度広範囲に塗装も落としました。
いつものWT-TIG200で溶接しています。
電流値は平均60Aぐらいで作業しましたが、熱入り後の溶け落ちや、盛り具合の調整で±20Aぐらい調整しています。
溶接棒は4043を使いました。ホイール修正に適したもっといい物があるのかもしれませんが、溶接した感じは問題なかったのでこれでしばらく走ってみて様子を見てみます。
凹んでいる範囲が広かったので、ビードも何回かに分けて引く必要があると感じました。
1パス目
2パス目
回りよりも高さが高くなるよう、何度かに分けてビードを引いています。
グラインダーで削って、高さ合わせをします。
削ってみたら、他よりも凹んでいる部分がはっきりと分かりますので、そこも追加で溶接して、他の部分との段差を無くしていきます。
周囲のRに合わせて、グラインダーで削って調整しました。
表側は凹んで若干シワが寄っていたので、こちらも溶接後にグラインダーを当てて平面を出しました(写真では汚く見えますが、手で触ったら平面が出ています)。
さて、ここから塗装をしていきます。
全体の塗装を落とすか、元の塗装は剥がずにそのまま溶接するか迷いましたが、しばらく考えた結果、元の塗装は剥がして塗装し直すことにしました。
が、これは失敗でした。
ホームセンターで塗装剥がし液なる物を買ってきて、塗装面にハケでペタペタ塗って、10分ぐらい放置したら塗装が剥がれるとのことだったんですが、塗膜が強すぎるのか全然キレイに落ちない。。
リム部分は比較的キレイにペリペリっと剥がれてくれたのですが、鋳物の地肌感でザラザラしているスポーク部分がなかなか落ちてくれません。
ちなみに写真は「塗装剥がし散布→スクレーパーでゴシゴシ→水洗い」を3度繰り返した状態で、2時間以上かけたのにも関わらず、ラチが空きません。
知り合いの先輩にウェットブラストまで持ってきてもらって、何とか楽して落とせないかと試しましたが、これでも落ちない。。
予想以上に強い塗膜で、全然キレイになる気がしませんでした。ホイールの塗装は落とそうとするもんじゃないです。
結局追加で塗装剥がし液(3本目)を買ってきて、あとは手作業でペーパー当てて、ある程度元の塗装を剥がれた所で、妥協しつつも塗装しました。
という訳でホイールキズ修正の完成です。どこを修正したでしょうか??
答えはこの辺…自画自賛なんですが、実物を見ても修正したことを言われないと分からないぐらいの仕上がりにはなってくれました。まぁ塗装したのはこの1本なので、若干色味が違いますが。
裏から見ると、肉盛り溶接後にグラインダーを当てているので、研磨痕があります。
鋳造なので、グラインダーを当てていない部分には小さい巣穴がありますね。
試しにタイヤ組んで、エア漏れチェックしました。
リムが凹んでいたのを修正したので、補修に失敗して平面が出てなかったら、すぐ漏れてきそうな感じです。
ビードもちゃんと上がってくれましたし、とりあえずエア張ってリークチェックスプレーで確認したところ、大丈夫そうでした。これで一晩ほっておいてエア圧が下がってなければ大丈夫なはず…?
以上で作業完了です。
やってみて思ったことは、塗装剥がしが一番大変で、それに2/3ぐらいの時間を取られてしまいました。
溶接したところの段差を気にして全体的に落としましたが、ホイールの塗装はなかなか落ちなかったので、元の塗装は落とさずにやった方が楽ではあります。迷う所ですね~
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