こんにちは。車関係のブログ担当古賀です。
私事(車系は大半そうなんですが)ですが、先日ダート耐久レースに参加しまして、競ってたら熱くなって土手に乗り上げてしまい、それが原因でリタイヤになってしまいました。。(汗)
しかも私が自爆するまで3位の表彰台圏内を走っていたとのこと…マジで申し訳なかったです。。
何でもフィットには定番のアーム曲がりらしいです。
また壊れてもらっちゃ困るので、壊してしまった罪滅ぼしも兼ねてアームを曲がらないように補強することにしました。
耐久レースやドリフトでは、こういったアーム類の補強は定番なんじゃないでしょうか?興味のある方はご覧ください。
こちらのフィットのアームを補強していきます。
最初は鉄板をプラズマで切り抜いて、当て板を作ろうかなと思ってたんですが、近所のホームセンターに鉄板は無かったので、売ってあったフラットバーで代用することにしました。
いつものダンボール工作で型を取ります。
ダート耐久レースはかなりハードなので、毎回この部分が曲がってしまい、曲がったまま走行することでドラシャに負担がかかって折れるとのことです。
型に沿って、バンドソーでざっくり切り出します。
グラインダーで形状を調整して、大体こんな感じかな。
溶接する所の黒皮はそのままでも溶接自体はいけるんですが、強度が大事な部分ですのでちゃんと剥いで溶接しました。
真面目にやっとかないと、後で溶接が剥がれたよ!!ってなったら困るので(笑)
とりあえず仮止めなんですが、本溶接で反る事も考えて
敢えて仮止めの段階で多少反らせておきます。
これで裏から本溶接すれば、いい感じになる予定です。
本溶接して、いい感じに反り直してくれました。
板厚3mmに対して、溶接電流120A、ベース電流20A程度のパルスで溶接しました。
続いて反対側も同じ要領で作っていきます。
こっちは訳あって、寸法が大体決まったところで仮止めを外しておきます。
物が揃いましたので、アームに溶接していきます。
まずは仮止め、されど仮止め…板厚が3mmぐらいあるので、結構適当でも大丈夫なんですが、クランプ等で隙間を極力無くして、後々手間がかからないように点付けしていきます。
先端のボールジョイント部分にはゴムブーツが付いているので、溶けないように濡らしたウエスで保護しておきます。
今考えたら、最初に手間でもプレスでジョイントは外してやった方が早かったかもしれません。
連続でガッツリ溶接してしまうと、ブーツが溶けるのは目に見えていたので、ちょっと進んで冷やして~の繰り返しです。一気に溶接できたら楽なんですが。
また、ボールジョイントにあまりに近い部分はやめておきました。
続いて反対側ですが、こっちには補強となるリブを追加していきます。
アームの淵が邪魔でタングステンを伸ばす必要があったので、ガスレンズを使いました。だいたい3センチぐらいまでであれば、写真のようにタングステンを伸ばすことができます。ガス流量は8-10L/min以上を推奨です。
リブの溶接ができました。
この上から、先の写真で仮止めを外していた補強板を溶接していきます。
補強版で隠れるリブをアームと補強版の両方に溶接するには、手間なんですが順序的にこうするしかなかったので、リタイヤするよりマシだと思って真面目にやっていきます。
ぶしゅーーーっと煙を上げつつ、ブーツが溶けないようにクーリングを挟みつつ溶接を進めていきます。ブーツを気にしないといけないのが、一番大変でした。
アーム+リブ+補強版と、各種溶接が終わりました。
続いて、溶接しっぱなしでは速攻でサビてしまいますので、塗装しておきます。
とりあえず洗って脱脂です。
既にうっすらサビてきてます。
塗装して見た目も良くなりました。とりあえず片方は完成です。
続いて反対側です。ナックルとドラシャごともらってきましたが嫌な予感が…
このままでは溶接作業に支障が出るので、ハブナックルをアームから外すことにしました。
ところが……ボールジョイントの圧入を外そうとしたものの、ドラシャのアウターが邪魔してボールジョイントを押せません。ナットを外す隙間も無いし、このままではナックルが外せそうにありません。
しばらく悩んだ後、諦めてドラシャを外すことにしましたが、新たな問題が…
心配していたセンターのボルトは手持ちのコマが合ってインパクトで外れてくれたものの、スプラインが固着しているようでナックルからドラシャが抜けない…
ラスペネ(業務用、556の強化版みたいなもの)を使ったり、バーナーで炙ったりしても抜けません。
それどころか、ドラシャネジの先端部分がハンマーで強打しすぎて変形してしまい、ナットが入らなくなってしまった。。グラインダーで頭を若干削ってみたものの、ハブボルトが邪魔でこれまた手詰まり状態です。
とりあえず自分にできる事をしようということで、邪魔なシャフトを外すのは諦めて、そのままアームの溶接を進めることにしました。
溶接するアームの上で重いドラシャがグラグラと動くのでやりにくい。。。
厚みが3mmぐらいはあったので溶接自体は比較的簡単で、隙間が広かった箇所は溶接棒を入れました。
こちらも養生して缶スプレーで塗装して完成です。
ハンマーで強打しまくって末広がりになってしまったセンターボルト…固着って怖い(汗)
今回使った溶接機はこちら:WT-TIG200
今からTIG溶接を始めようと思う方はこちら(アルゴンガスのみご用意ください):WT-TIG200フルセット
他に使った備品:ガスレンズ
弊社で溶接機をご注文のお客様にはTELで具体的なアドバイス可能です。お気軽にどうぞ。
株式会社WELD TOOL