こんにちは。
今回はバイク乗りの定番、ブレーキレバー折れの溶接補修です。
社用車Dトラッカー、別にレバー折れてるわけじゃないんですが
とりあえずバンドソーでぶった切りました。
以前職業訓練に通っていたのですが、その際若い子がコソっと折れたレバーを持ち込んで溶接を試みるも、上手くいかなかった記憶があります。
その時は直流/交流とかの違いも知りませんでしたし、アルマイトも剥いでなかったので通電してなかったんでしょう。アルミ製品は腐食防止でアルマイトされていることが多いです。
今回アルマイトもキッチリ剥いで、雑なんですが開先加工をしました。芯から溶かし込んで溶接して強度アップです。ブレーキしようとして折れたらシャレになりませんから。。
WT-TIG320Sのオートモードで溶接します。アルミ一般。
板厚設定はどうしようか悩んだんですが、レバー自体は棒のようなもので、体積が大きいわけではないので、とりあえず5mmにしました。仮止めの感触次第で変更しながらやっていきます。
タングステはもちろん純タンを使用。2.4φです。
アルミは板厚1.5mm以上の溶接時は、2.4φを使っています。
板厚が薄い→電流を下げる→タングステンが太すぎるとアークがフラついてしまいます。逆に細すぎるとタングステン側が熱に負けてすぐに摩耗してしまいます。
基本的に2mm以下での溶接はほとんどしないため、会社では2.4φを使う事が多いです。
芯となる部分を溶かし込むイメージで仮止め。
凹んだ箇所を溶接棒で盛って、冷ましてからもう一層盛って高さを出しました。
溶接電流は温まり具合で140A~100Aまで変えながら溶接しました。
グラインダーで削って元通りになりました。
大きめのブローが一か所入ってますね。大丈夫かなぁ。。。念のため手でおもいっきり力を入れると。。
ボキッ(;゚Д゚)ホントに折れてしまいました(滝汗)
両手で思いっきり力を入れたので、レバーを握る力より相当強い力が入ってたとは思いますが。。
断面を見てみると、芯までちゃんと溶け込んでないですね。仮止めが甘かったか。。
あと、溶接棒は4043を使ったけど、材質に合ってなかったのかな。。
再度開先からやり直しました。溶接棒も次は5356を使用。これまた僅かにブロー入っちゃったけど。。。さっきの大穴よりマシです。
また、一度に溶接してしまうと、レバー自体が熱くなりすぎていかにも強度が弱そうな感じで溶け落ちていたので、間にクーリングを入れて2回に分けて溶接しました。
しばらく両手でグリグリ力を入れてみて大丈夫そうだったので、車体に取り付けて完成です。
まぁレバーぐらいだったら買った方が確実ではあるんですが、モトクロスやラリー等のハードな競技で頻繁に折ってしまう方は溶接出来たらコストかかりませんので、お試しください。
・電源は三相動力200Vが必要です。
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