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切断試験で福岡工業技術センターに行ってきました。

2019年12月26日

引張試験をした鉄材

こんにちは、引張試験担当古賀です。笑

 

 

先日お伝えしていた引張試験を行うため、福岡県工業技術センターに行ってきました。

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溶接の検定試験も行っているようです。

ちなみに弊社スタッフは基本級TN-F等は一通り取得しています。まぁ一番簡単なやつですが。

看板

 

 

 

受付を済ませ、試験機の使い方を一通り教わりまして、職員の方は他所へ。かなり高価そうな機械を一人で動かす訳ですが、壊すとシャレにならないことになりそうなので、慎重に作業を進めていきます。。汗

こんな感じで強固なクランプに母材を挟んで、マニュアル操作を解除しスタートすると、機械が勝手に測定してくれます。

引っ張り試験用テスト材

 

 

 

とりあえず試しに溶接も何もしていない素の鉄板を試験にかけてみることに。

左側のグラフは縦軸が引張荷重、横軸がストローク(伸びた長さ)を表しているようです。単位はNなので、9.8で割ると何キロかかっていたのかが分かりますよとのこと。

ザックリ説明させて頂くと、MAXの破断位置では約1000キロの負荷がかかっており、その時は1.48mm伸びていた…ということだと思います(多分)。

引っ張り試験結果

 

 

 

 

この要領で用意した試験片(という程の物じゃありませんが)の破断テストしていきます。

基本的には機械にセットしてスイッチを押すだけなんですが、原点(機械のツメの上下位置)を合わせたり、チャックを締め付けただけで荷重がかかってしまうのでそこを微調整したりする必要があるそうです。

また、試験自体もツメの上下は極めてゆっくりストロークするので、破断まで意外と時間がかかります。

ナメ付けした試験材

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで全ての材料の試験が完了しました。

試験片を見ていただければわかるんですが(クリックで写真を拡大できます)、溶接した部分から破断が確認できたのは[TIGナメ付け、炭酸ガス+ソリッドワイヤー]の組み合わせぐらいで、他は穴の部分が伸びて破断…という結果になってしまいました。。Ω\ζ°)チーン

チャック爪の滑り止め加工がされている部分が、ちょうど穴があるところに被ってしまい、位置関係が悪かったです。

破断テスト後

 

 

 

 

 

穴の位置が伸びた物のグラフは大体が下記のような感じとなりました。

・3000N(約300キロ)程度までは一定の荷重がかかり続けている。

その先に伸びる過程がしばらく続く(荷重約4000Nで殆ど変わらず)。

・伸びが4.5mmを超えた辺りでジワジワと破断が始まる。

・最終的に6mm伸びたところで完全に破断する。

試験結果

 

 

 

なるほど、一度見学に来られた方がいいですよって言われてたのに納得。。。年明けにでも穴の開いていないフラットバー等を持って行って、ちゃんとした試験結果を収集してきます。

 

当てになりませんが、試験結果は下記の通りとなりました。

参考までに、ビードとは関係のない所が伸びた物(測定結果が信頼できない)は×、ビードの端部等の関連性があるところから破断した物(測定結果に信頼できる)は○をつけています。

 

○溶接無し:1033キロ

備考…伸びる事無く、ドンっと破断。当たり前だが一番の高荷重に耐えました。

 

○TIG溶接(ナメ付け):510キロ

備考…溶接部のビード横から伸びる事無く破断。片側からのナメ付けの場合、およそ半分程度の荷重に耐えました。

 

×TIG溶接(溶接棒有り):605キロ

備考…途中から溶接個所以外が伸びだしたため正確ではないが、ナメ付けよりは耐久性があるのは間違いなさそうです。

 

×半自動溶接(ノンガス):420キロ

備考…途中から溶接個所以外が伸びだしたため不正確です。ノンガスでも意外と耐久性ありそう??

 

○半自動溶接(炭酸ガス+ソリッドワイヤー):461キロ

備考…溶接部のビード横から伸びる事無く破断。溶け込みが甘かったのか、熱が入りすぎてしまって脆化していたのか、予想よりも耐久性は低い結果でした。

 

○半自動溶接(アルゴン+ブレージングワイヤー):779キロ

備考…溶接部のビード横から伸びる事無く破断。通常はパルスミグ溶接機を使うところだが、普通の半自動溶接機でブレージングワイヤーを使用。意外と耐久性がありました。

 

×半自動溶接(アルゴン+ブレージングワイヤー+隙間を1mm):416キロ

備考:途中から溶接個所以外が伸びだしたため不正確。この辺りはクランプ位置の差で、伸びてしまいきちんと測定できなかった物と伸びずに測定できた物があります。

 

○半自動溶接(炭酸ガス+ソリッドワイヤー+スプールガン):760キロ

備考:溶接部のビード横から伸びる事無く破断。信用できる数値。伸び試験の場合、ビードそのものよりもビードの際(きわ)の熱が入った箇所から破断することが殆どのようです。

 

×パルスミグ溶接(アルゴン+ブレージングワイヤー):425キロ

備考:途中から溶接個所以外が伸びだしたため不正確。ブレージング溶接の場合、母材と一体化していない(ロウ付けのような感じ)ので耐久性はどうかと思ったが、母材破断の2/5程度ではまだまだ余裕がある感じ。

 

×パルスミグ溶接(アルゴン+ブレージングワイヤー):439キロ

備考:途中から溶接個所以外が伸びだしたため不正確。こちらもまだまだ余裕がある感じ。ブレージング溶接の正確な強度測定がしたいところ。

 

 

今回は持って行った母材がダメで、関係ない所が破断してしまうケースが大半でしたが、後日リベンジに行きたいと思います。

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