こんにちは。
先日レアアースタングステンの取扱いについてお問い合わせを頂きました。
取扱いは無かったのですが気になったため調べてみたところ、アークスタート性が良く耐久性があるとのこと。
ふと思い当たったのがマイクロTIG溶接です。
アークの照射/停止を繰り返す格好で溶接しますが、タングステンが丸まってくるとアークの飛ぶ方向がおかしくなったり、一瞬途切れてしまったりしまうので、通常TIG溶接以上に頻繁にタングステンを研ぐ必要がありました。
レアアースタングステンを使って耐久性が上がるのであれば作業効率が上がるので、実際に試してみました。
左:レアアースタングステン。お尻は水色ですね。会社にサンプルがありました。
右:トリウム入りタングステン。お尻は赤色。直流用のタングステン電極です。
タングステン先端は同じように研いでいます。
マイクロTIG溶接機で比較テストします。
溶接条件:250A/20ms/30Hzです。
普段はここまで極端な設定は使わないのですが、今回はタングステンの比較ですので、溶接の仕上がりは無視してあえてタングステンにシビアなコンディションで使います。
比較動画です。
タングステンを交換した以外は全く同じ条件です。
明らかにレアアースタングステンの方がアークスタート性が良く、途中で途切れることはほとんどありませんでした。
マイクロTIG溶接にはトリタンが一番いいかなと思っていたんですが、良い事を教えてもらいました(笑)
何が違うのか、先端を拡大してみると。。。
左のトリタンは先端が交流TIG溶接のように僅かに丸まっていますね。このせいでアークが飛びきらなかったり、変な方向に飛んだりしていたんでしょう。
右のレアアースタングステンの方は鋭角なままで、アークスタートが非常に良好でした。耐久性も高そうですね。
結果が良好でしたので、レアアースタングステンの取扱いをお願いしました。
マイクロTIG溶接機に標準で付属するタングステンは現在セリウム入りタングステンとなっておりますが、レアアースの方が届き次第、そちらをお付けするよう変更いたします。
マイクロTIG溶接(直流TIG溶接)にはレアアースタングステン、おすすめです。