こんにちは。
溶接機を検討中の方からお問い合わせがあり、マイクロTIG溶接機と通常TIG溶接機のどちらが適しているか?といった内容でした。
たまたま本日時間があり試しに溶接しましたので:、似たような状況で悩まれている方は、参考までにどうぞ。
母材は板厚3mmのステンレス板です。
開先が取られている物と無しの物があります。それぞれ溶接していきます。
まずは通常TIG溶接(WT-TIG200)から。
開先有り1層目ナメ付けTIG溶接
2層目棒入れTIG溶接(途中で母材が動いて蛇行してしまいました、、)
開先無し棒入れTIG溶接
写真では光沢があるように見えなくもないですが、実際は酸化してまぁまぁ黒ずんでいます(特に2層溶接した物)。
これだけ母材が小さいと熱の逃げ場が無く、2層目を溶接するころには母材の赤熱がなかなか取れません。
また、終端の溶け落ちが激しいため、最後はアークを入り切りしながら棒をちょんちょん入れました。
続いてマイクロTIG溶接(WT-MTIG250)。
開先有り1層目ナメ付けマイクロTIG溶接
2層目棒入れマイクロTIG溶接
開先無し棒入れマイクロTIG溶接
番外編、ナメ付けマイクロTIG溶接
1層目のナメ付け直後に、溶接棒を入れながら2層目の溶接した時のみ、青く焼けが入っています。それ以外は酸化無しで溶接できました。
始端/終端の溶け落ちも殆ど無かったため、流れでそのまま終われました。
ただ、板厚が3mmあると、通常TIGに比べて溶け込みは浅いので、強度面では多少劣ります。
また、こちらのお客様の場合、研磨して鏡面に仕上げるとのことでしたので、そうすると最終的な差は少ないかと思われます。
一番最後のナメ付けマイクロ溶接に関しては、研磨して鏡面にすると僅かに凹んでしまうので、今回の用途には向いていないかもしれませんが、試しにやってみました。
大雑把に言うと、マイクロTIG溶接の方がやり易いが、研磨した最終的な仕上がりはそこまで変わらない…かもしれない(笑)
やり易い→アンダーカットや溶接ビードの均一性が保たれる→研磨(仕上げ作業)しやすい
というのはあると思います。
用途に応じてご選定ください。
ご来店頂き試されるか、遠方の方は今回のように端材を送って頂いてのテスト溶接も可能ですので、どちらの溶接機が適しているか悩まれている方は一度ご相談ください。