2018年02月21日
こんにちは。
今回は半自動溶接機を使用しているときに起こりえる不具合の解決方法を
説明致します。
不具合の種類としてはワイヤーの詰まりや送給ローラー付近でワイヤーがクラッシュ
(ワイヤーがはみ出てくしゃっとなる)する現象があり、それぞれの対処法を確認下さい。
●ワイヤーが詰まった場合
トーチのケーブルの中にはライナーと言う細長い形状の部品が入っており、
その内部をワイヤーが通ります。
溶接をしていると、まれにそのライナーの中で詰まってしまい、ワイヤーが出てこない場合が
あります。その場合、まず送給ローラー付近でワイヤーをカットしてトーチの先端に出ている
ワイヤーをペンチで挟んで引っ張り出します。強く引っ張っても出てこない場合はトーチを本体から
外して逆側から引っ張り出します。(その際ワイヤーに先端はカットしておきます)
どちらからも引っ張り出せない場合はライナーを交換します。
ワイヤーが詰まらないように、以下の点にご注意下さい。
・トーチケーブルはなるべく急な角度では曲げない
・ワイヤーが錆びている場合はブラシ等で錆を落としてから使用する。
・メンテナンスとして定期的にライナーを取り出し、エアブローして内部のゴミやススを除去する。
(下記写真参照)トーチ根元のナットを外し、ライナーを引っ張り出し、エアーブロー。
●ワイヤーがクラッシュした場合(送給ローラー付近でワイヤーがはみ出てしまう)
これは細径ワイヤー(φ0.6mm)や、柔らかいアルミワイヤーを使用する際に起こる現象で、
溶接中に母材をたたくような感覚の時に、(ワイヤーは送給ローラーで送られるが)ワイヤー先端部分がうまく溶けずにたたくような感じになり、送給ローラー付近でワイヤーがはみ出てしまいます。
この場合、ワイヤーをカットして再度セットするのですが、以下の点を確認して再度溶接
するとほとんどの場合、うまくいきます。
★コンタクトチップはワイヤー径と同じものを使う。
例えばΦ0.6mmのワイヤーにΦ0.8mmのコンタクトチップを使うとワイヤーにうまく電気が伝わらず母材をたたいてしまいます。
★Φ0.6mmワイヤーを使用する場合はワイヤースピードを速めに設定し、ノズルからワイヤーの突き出しを通常よりも短めにして溶接する。
★送球ローラー部でワイヤーを抑えるストッパーのつまみを緩める。
このつまみを緩めることで溶接中にワイヤーがうまく溶けずに母材をたたいたとしてもローラーが空回りしてクラッシュするのを防ぎます。
他、送給ローラーの溝にゴミが溜まっている場合は掃除して取り除いて下さい。
他、不明な点がございましたらお気軽に連絡下さい。