2022年01月13日
こんにちは関東営業所の磯部です。
今回は、WT-TIG315 直流/交流TIG溶接機の納品時に取扱い説明を頼まれ行ってきました。
作業者の方は2名で今までは、アーク溶接(手棒溶接)をされており、TIG溶接は以前、
他の人が溶接されているのを見ていた事が有る程度で、溶接経験は殆どないそうです。
それで、操作説明をしながら実際に溶接の仕方を教えて欲しいと頼まれミニ講習をする
事に成りました。
”初めてのTIG溶接”の練習方法は、最初からいきなり溶接棒は入れずにナメ付け溶接
(共付け溶接)から行うのがセオリーで近道です。
先ずは、溶接トーチの角度とタングステン電極の先端と母材の距離(3mm前後)を一定に
保ち適正な大きさの溶融プールをつくる。
そして、そのまま溶融プールの幅を揃えて前に伸ばし一定の速度で真直ぐに進める。
これを繰返し練習することで、右手(利き手)がパターンを覚え無意識にできるように
なるまで反復練習が必要です。
トーチの送りは、手棒アーク溶接の経験者なので難なく上手にできました。
(溶接ビード3本ダケです)<パルス無し>
焼けて黒ずんでいる(酸化過ぎ)ている箇所は、トーチの送りが遅いか? 又はそれに対して
溶接電流が高いか?(又はガスシールド性が悪いか?)の何れかです。<材料はステンレスの板厚4~5mm>
今回は”初めてのTIG溶接”なので、トーチは丁寧にゆっくりと送ってますので、それに対して
適正な溶接電流に調節(下げ)すれば良いと説明しました。
また、特にステンレスの場合には、パルス機能を使用する事で焼け(酸化)を抑えられる為、
パルス周波数などを変えて比べてみました。
安定したトーチ送りはできるので、早速、溶接棒を入れる練習をしました。
TIG溶接は溶接棒を入れるのが醍醐味ですいが、初めての経験のため少し手こずりました。
溶接棒の入れ方とタイミングに慣れが必要です。後はやはり反復練習あるのみです。
続いて、溶接棒入れの練習と併せて隅肉溶接をしてみました。
さすが手棒アーク溶接の実務経験者です。 なんか上達が早いですね!(・□・;)
どんどんレベルアップしていきます。 次に事前に用意されていた溶接材料は、なんと!
ステンレスの厚さ”10mmで開先加工”されてますょ 😯 これは上級者向けのヤツです!
自分はステンレスTIG溶接の資格を取得する為に必須の3mmの開先溶接をした事がある程度です。
(その当時、資格を取る為にマジ必死で練習しました(笑))
<開先溶接の詳細は、こちらをご覧下さい。>(クリックすると別ページに表示されます)
この開先溶接は、基本的な溶接の仕方を説明し2セットだけ試しました。
(実際には、この板はステンレスなので、2枚の突け合わせの隙間(ギャップ)を開けて裏側まで
溶かして溶接する場合には、板の裏側もガスシールド(バックシールド)しなければならないです。)
最後にアルミ溶接です。
(このWT-TIG315 直流/交流TIG溶接機は、直流から交流に切替える事でアルミ溶接もできます)
ステンレスの溶接と遣り方は同じなので、アルミ溶接のコツと注意点ダケを説明しました。
が、ここまで練習した成果で、意外とアルミ溶接は直ぐに上手くできてしまいました。
TIG溶接は初心者でしたが、2時間程度練習しただけでここまで習得し喜んでおられました。
作業者の方は熱心で、集中して練習した成果です。ここまで出来ればあとは、実践と練習です。
実践を繰返し行っている間に気が付けば上手く出来るように成っていますので、頑張って下さい!
この度は、WT-TIG315溶接機をご購入いただき、誠にありがとうございました。
また何か溶接で困った点などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
弊社の溶接機をご購入いただくと丁寧な操作説明から溶接講習まで行いますので、
初心者でも安心してご使用いただけます。
今回使用した機種の詳細はこちらよりご覧になれます。
(クリックすると別ページに表示されます)