2020年11月24日
こんにちは古賀です。
普段は車関係の記事が多い私なんですが、今回は食品機器関係の記事になります。
全然関係ないんですが、昨日出場したレースで悪くはない結果だったので、気分良く仕事ができます(´∀`*)ウフフ
先日、知り合いの大学に個人的に呼ばれて行ってきました(※自社で溶接作業自体は請け負っておりません)。
何でも機械のアームが外れてしまったとのことでした。
食べ物をかき混ぜる際のアーム部分ですね。
負荷がかかった(これには根本的な問題がありました)ようで、ポッキリ折れちゃってます。
溶接個所からボキっといってますね。
溶接自体はちょっと弱そうな気もしましたが、特に問題なさそうでした。
マイクロTIG溶接機のWT-MTIG250を持っていきました。
食品関係という事もあり、上の写真の箇所がパイプだったらマイクロTIGで焼けを最小限に抑えようとは思ったんですが。今回は中身の詰まった丸棒だったので溶け込み重視の通常TIGモードで溶接しました。
折れた継ぎ手に合わせて仮止めしまして
本溶接です。一気にやると赤熱して真っ黒く酸化するのが目に見えていたので、脚長を広くとって強度は出しつつも、ちょっとづつ溶接しました。
食品関係の機材の溶接は気を使った方がいいと、以前教わった記憶があります。
当初の予定ではこれで終わりのハズだったんですが。「助かりました!ありがとうございます!今までも何かが当たって音がしてたんですよね。」とのこと。ん?異音…?
で、機械に取り付けてみると、シャフトがナナメに回ってます。。嫌な予感が。。。(;’∀’)
当初手出しするつもりは無かったんですが、シャフトを外してみると
付け根が曲がってました。これはここじゃ治せない。。。けど治しておかないと、今後また溶接が外れるのは目に見えてるし。。。
ヘラが接触して削れ、曲がった痕がありました。
このせいで本来接触するはずのない釜に当たりながら回転したせいで、負荷がかかって折れたんでしょう。
さらに作業を進めていると、何かがカランって落ちた音が。。。今度はどうした?
ヘラを固定するステー部分の裏側なんですが、ボルトが外れないように溶接されてた痕がありました。
溶接が外れ、ボルトが回って脱落してました。んーーこれは全部治さないとまた呼ばれちゃうパターンか??
当初、外れたアームを溶接して終わりの楽な仕事だったはずなんですが。
正直、安請け合いしたのを後悔しました(笑)
しかしそこは乗り掛かった舟はなんとやら、最近もとってもお世話になっているものづくりの先輩の教えを思い出しまして、溶接の剥がれた箇所は全てくっつけることに。
外れていたボルトを入れて溶接し直しました。食品関係ですので、この後念のため溶接焼けは取っておきました。
アームができました。
続いて、曲がった太いシャフトの方です。
プレスで押してサクっと修正しようとしたら、邪魔な物を外さないと曲がってるとこを押せない感じ。
で、固定されているセットカラーを外そうとしたら、見事に錆びたイモネジが外れませんでした。
セットカラーは原型をとどめて外すのは不可能だったので、切断して新しい物を入れておきました。
ついでに動きの悪かったシャフト類にもペーパーを当て、スムーズに動くように修正です。
いつの間にか作業内容がアーム溶接補修→撹拌機のオーバーホールになりつつあるんですが(笑)
想定外の作業があり時間がかかりましたが、完成しました。
しばらく壊れないでほしいところ。
食品関係では錆びないステンレスが使われているのが大半だと思うんですが、溶接焼けを極力させたくなかったり、焼け取り作業も現場でしたい場合にはマイクロTIG溶接機WT-MTIG250をご検討ください。
軽いので現場使いにもいいんじゃないかな?と思います。