2020年12月04日
こんにちは。WELD TOOLです。
近年になるまでは一般の人には手の届きにくいイメージのあった溶接機ですが、
最近では、個人でもDIY等で使用する人が増えてきました。
また「溶接の依頼は外注に出していたけれど、これからは自社で行う」という言葉を
デモに行った時なんかによく耳にします。
半自動溶接機は数多くの機種が販売されており、特に初心者の方は何を基準にどうやって性能を
比較すれば良いか分からないと思います。
この記事ではその選定方法を初心者向けではありますが、記述していきますので
少しでも参考にして頂ければと思います。
今回は半自動溶接機メインで書いていきますが、
TIG溶接との比較(動画あり)もありますので、是非最後までご覧下さい。
~目次~
・半自動溶接機(おすすめの200V半自動溶接機,各スペック,)
スイッチを押すとトーチ先端からワイヤーが出てきて、母材を溶かして溶接します。
溶接棒を手で持ちながら溶接する被覆アーク溶接(手溶接)に比べ溶接棒を交換する手間も省け
能率が良く、作業時間を短縮することができるため、
DIYからプロの現場まで人気があります。溶接ワイヤーは自動で供給されますが、
溶接の作業自体は手動になるので「半自動」と呼ばれています。
半自動溶接機を使う溶接は、金属の酸化を防ぐシールドガスを使用しますが、
ガスのタイプによって種類が分かれています。
記事内、次の項目「半自動溶接の種類」で詳しく説明しています。
知ってる方もいらっしゃれると思いますが、これらは全て半自動溶接で、
何のガスを使うかによる呼び方の違いです。
CO²溶接
炭酸ガス溶接とも呼ばれており、軟鋼用ソリッドワイヤーを使用し、基本的に鉄の溶接に使われます。
MAG溶接
混合ガス溶接(アルゴン80%+炭酸ガス20%)とも呼ばれており、軟鋼用ソリッドワイヤーやステンレスワイヤーを使用し、鉄やステンレスの溶接に使われます。
MIG溶接
シールドガスとしてアルゴンを使うのですが、アルゴン溶接とは基本的にTIG溶接の事を指す場合が殆どだと感じます。
アルミやステンレスの溶接で使われていますが、見た目がTIG溶接に劣る為、基本的にアルミはTIG溶接をお勧めします。
ノンガス溶接
ノンガスワイヤーを使用することでガスが不要で溶接が出来ます。
ガスを使用した溶接と比較すると、ヒューム(煙)、スパッター(火花)もやや多く、
ビード外観も劣りますが、風の影響を受けず、屋外での溶接に重宝されます。
ガスが無くても溶接は出来ます。
一般的な半自動溶接機のように炭酸ガスや混合ガスを使用して溶接を行うことも出来ますが、
ノンガスフラックスワイヤーを使用することでガス無しで
溶接することも可能です。ガスを使用しないので準備の手間もなく、
風の影響を受けないので現場での使用が多く、屋外問わず溶接が可能です。
炭酸ガス等を使用する場合と比べてノンガス溶接の場合は
ヒューム(煙)やスパッター(火花)が多く仕上がりは
被覆アーク溶接(手棒)のような感じになりますが、
スパッター除去スプレーやカップブラシ付きのグラインダーを使用することで
そこそこ綺麗な仕上がりになります。ただノンガスワイヤーが高価となりますので、
溶接頻度が高い場合は炭酸ガス+ソリッドワイヤーをおすすめします。
ワイヤーの種類・特徴
半自動溶接に用いられるワイヤーはソリッドワイヤーと
フラックス入りワイヤーに分類されます。
・ソリッドワイヤー
通常、さびの発生防止および通電性を向上させるためにワイヤー表面に
銅メッキが施されている。フラックス入りと比較して溶け込みはやや浅いが、
安価でヒューム(煙)が少ないのが特徴。
・フラックス入りワイヤー(要ガス)
フラックスを内部に巻き込んだ形に形成したワイヤー。
ソリッドワイヤーと比較してスパッター(火花)が
少なく仕上がり、ビード形状や外観が美しいのが特徴。
・ノンガスフラックス入りワイヤー
ガスを噴射する代わりにフラックスワイヤーを使用する手法です。
仕上がりはガスを使用した溶接には劣りますが、
ガスボンベを設置する必要がなく、風の影響も受けません。
また、カップブラシ等で研磨すると仕上がりもキレイになります。
※こちらの記事にガス溶接、ノンガス溶接の比較、半自動溶接のコツを
記載しております、良かったらご覧下さい。
TIG溶接とは・・・片手に溶接トーチ、片手に溶接棒(溶加棒)を持って
溶接します。ステンレスやアルミの溶接に最適で、もちろん鉄の溶接も可能です。
仕上がり比較(母材は画像上がアルミ、下が鉄)
溶接スピード比較(WT-TIG200,WT-MIG225ALで溶接)
仕上りの美しさ
TIG溶接 > 半自動溶接
溶接スピード
TIG溶接 < 半自動溶接
見た目かスピードどちらを重視するかですね。
上記の内容とも関係するんですが、何を溶接するか?で決めるといいです。
しかしいろいろな用途があると思いますのでパターンに分けてみます。
半自動溶接機
・建築業、造園業、工務店、自動車整備、運送業、重機関係、自動車用品ショップ、板金屋他
TIG溶接機
・バイクショップ(自転車販売店)、カーショップ、自動車整備、配管設備、電気工事、食品工場、マリンショップ(船関係)板金屋、看板屋、釣り具、建築、リフォーム業他
(使用率が60%=最大出力で6分間使用→4分間休憩)
交流アーク溶接機は直流インバーター溶接機と比較して安価でコンパクトだが
アークが安定しないので、溶接強度が落ちる可能性がある。
直流インバーター溶接機は交流アーク溶接機と比較して高価だがアークが安定していることから
仕上がりが美しいのが特徴。
こちらの機種は200V専用の半自動溶接機です。
200V専用とはいっても、家庭用の単相200V、容量20アンペアで
(エアコン等で200Vのコンセントが設置されているケースが多い)
十分に本機の性能を発揮出来ます。特徴としてはノンガスワイヤーを使用すれば
シールドガスは不要で溶接ができますので屋外の溶接には重宝されます。
炭酸ガスやシールドガスを使って品質の高い溶接も可能な1台です。
【商品詳細】
定格入力電圧 | 単相200V(220V) |
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定格入力 | 4.6KVA(容量20アンペア以上が必要となります) |
出力電流範囲 | 40~160A(半自動),10~140A(手棒アーク) |
定格使用率 | 最大出力時35% 125A時60% |
適合ワイヤー径 | φ0.8(オプションでφ0.6)~φ1.0mm φ1.0~φ2.0(アーク) |
寸法 | 幅202mm,奥行430mm,高さ360mm(取っ手部分含む) |
適合ガスホース | 内径8mm |
本体重量 | 12kg |
お客様の声にWT-MIG160の使用感、実際に溶接を行った写真を掲載しております。ご参考までに
※クリックすると別ページに表示されます。
最大出力が250アンペアと薄板~厚板まで幅広く溶接が可能、
本体前面には電流(A)、電圧(V)のデジタル表示を備えています。
また本体背面にはガスボンベ設置用のスペースが備えられていますので、
ボンベを設置したままの移動が可能となっており、場所を変えながら溶接をすることができます。
溶接頻度が高い方におすすめの一台です。
【商品詳細】
定格入力電圧 | 三相200V(220V) |
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定格入力 | 6.5KVA(三相200V、容量20アンペアが必要となります) |
出力電流範囲 | 20~250A |
定格使用率 | 60% |
効率 | 85% |
適合ワイヤー径 | φ0.8~φ1.0 (オプションでφ0.6も使用可) |
寸法 | 幅300mm,奥行820mm(ボンベ台部分含む),高さ700mm(取っ手部分含む) |
適合ガスホース | 内径8mm |
本体重量 | 38kg |
お客様の声にWT-MIG250の使用感、実際に溶接を行った写真を掲載しております。ご参考までに
※クリックすると別ページに表示されます。
(アルミ溶接も可能な半自動溶接機)※鉄も可
こちらの機種の特徴はなんといってもアルミ溶接を目的として開発された半自動溶接機です。
アルミは板厚を入力すると電流・電圧が自動で設定されますので初心者の方でも
扱いやすい一台となっております。(※鉄は参考値がございます)
また、付属の標準2.5Mトーチに加え、スプールガン10M(オプション)もございます。
スプールガンのケーブルが10Mとはいえ、手元にワイヤーをセットするので、
ケーブルの取り回しを気にせず、作業に集中できます。動きながらの溶接ができ
作業効率もアップします。
【商品詳細】
定格入力電圧 | 単相200V(220V) |
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定格入力 | 6.2KVA((最大入力電流28A) |
無負荷電圧 | 65V |
出力電流範囲 | 20~225A |
出力電圧範囲 | 10~33V |
溶接タイプ | パルスミグ/Co2/MMA(被覆アーク) |
定格使用率 | 60% |
効率 | 85% |
適合ワイヤー径(mm) | アルミ(φ1.0/1.2) 鉄、ステンレス(φ0.8、1.0) |
溶接可能板厚(参考値) | アルミ(約1~10mm)、軟鋼(約1~7mm) |
寸法 | 幅278mm×奥行620mm×高さ470mm(取っ手部分含む) |
適合ガスホース | 内径8mm |
本体重量 | 24kg |
お客様の声にWT-MIG225ALの使用感、実際に溶接を行った写真を掲載しております。参考までに
※クリックすると別ページに表示されます。
Sシリーズ初のインバーター直流半自動溶接機「WT-MIG200S」です。
これ一台ですべて完結!と言っても過言ではないほど多機能で
鉄の溶接はもちろんの事、アルミ溶接が可能!設定を変更することで
ノンガスでの溶接も出来ます。(ノンガスワイヤー使用)
こちらもスプールガン(オプション)対応しておりますので作業効率UP!
更に溶接初心者の方が一番困る、電流・電圧の設定を
溶接する母材の厚みを入力するだけで自動的に行ってくれます。
Sシリーズはなんといっても3年保証付き!期間限定でのモニター割引も実施中!
この機会に是非お試し下さい。
【商品詳細】
定格入力電圧 | 単相200V(220V) |
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定格入力 | 9.6KVA(容量35アンペア以上が必要となります) |
出力電流範囲 | 40~200A |
使用率 | 60% |
適合ワイヤー径 | φ0.8(オプションでφ0.6)~φ1.0mm/ φ1.2mm(アルミのみ) |
寸法 | 幅220mm,奥行480mm,高さ380mm |
適合ガスホース | 内径8mm |
本体重量 | 14.4kg |
お客様の声にWT-MIG200Sの使用感、実際に溶接を行った写真を掲載しております。参考までに
※新機種の為、随時更新予定
シールドガス不要で使えるノンガス専用半自動溶接機です。
ノンガスなので風の影響を受けず屋外での溶接に最適!
小型で軽量、100V/200V兼用なので現場やDIYでも重宝されます。
100V電源で約3mm、200Vに接続で約4mmまでの溶接が可能です。
【商品詳細】
定格入力電圧 | 単相100V・200V |
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定格入力 | 100V/3.5KVA(容量35A) 200V/3KVA(容量15A) |
出力電流範囲 | 40~110A ※100V(20A)接続時は70Aまで |
使用率 | 30% |
適合ワイヤー径 | φ0.8~φ1.0mm ※1kg小径タイプ |
寸法 | 幅143mm,奥行330mm,高さ245mm(取っ手含む) |
モード | MIG/アーク(手棒) |
本体重量 | 4.3kg |
溶接機を購入したら直ぐに溶接を始めたいものですよね。
とはいえ、機械さえあれば直ぐに始められるものではありません。
溶接は金属を溶かしてくっ付ける作業ですので、当然高温でスパッタも飛び散り危険です。
半自動溶接するにあたり最低でもこれくらいは必要になってきますね。
個人的には・・・
・マグネットホルダー
この二つはなくても良いのですが、固定用マグネットホルダーは
直角に固定して溶接が出来るので、幾つか持っておくと便利です。
ご質問、ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
株式会社WELD TOOL
【福岡本社】092-834-2116
【関東営業所】048-954-8901
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