2021年05月26日
こんにちは、関東営業所の磯部です。
車の鈑金塗装工場さんでアルミホイールの修理を新たに始めたいと言うことで、
TIG溶接機のデモに行ってきました。
工場に入り周りを見渡すとベンツばかりで驚き!
それで、デモ用に用意されたアルミホイールは、やはりBenzのホイールでした。
Benzのホイールはすっごく高価と思いますので、直せればお客さんも修理費用が安く済むし、
工場側も工賃売上げが上がりWin-Winですね。
早速、ガリ傷を想定して、サンダーでえぐった箇所を溶接してみて欲しいとのことで、
肉盛り溶接をしました。
先ず、リムの縁側①の溶接は、特に問題なく肉盛りできました。溶接電流は120~140Aです。
続いて、スポーク部分②。このホイールは1ピースで、ホイールの中心に向かっていくと、
可成り肉厚が有ります。さすがBenzのホイールはデカいし、ゴッツイ(・□・;)
溶接電流を180アンペアまで上げましたが、それでもなかなか溶けず溶接棒が上手く
入れ難くいため、ゆっくりとウィービング(ジグザグ)しながら溶接しました。
アルミは熱が逃げ易く、そのうえ肉厚が厚いためなかなか溶けてくれません。
出来れば最初にガストーチバーナーなどを使って予め溶接部周辺に熱を入れておくと
溶け易く溶接が上手くいきます。
それでは、スタッフの皆さんに試して貰いましょう!
では、どなたから溶接を遣ってみたいですか?
んんん。。。一番バッターは、周りの皆さんの目があり、プレッシャーが掛かるので…
そしたら、女性の方が手を挙げました。さすが女性は度胸がありますね。 母は強し(笑)
初めてのTIG溶接で難しいアルミ、そして肉厚が厚い… 思うように上手くできない。
もちろん当たり前で、いきなりハードルが高い溶接をするのは無理があります。
そのため、一旦アルミホイールの溶接は止めて、端材で有った2mm厚のアルミの角パイ
プで、TIG溶接のコツを覚えるために練習しました。
そしたら、さすが鈑金塗装のプロの方達で習得が早い。
だんだん上手くできるように成りました。
この後は、肉盛った部分を削り、研磨仕上げ、塗装に成りますが、
鈑金塗装工場のスタッフの皆さんは、そこはプロなので言うことなし!
塗装仕上げまで一連の作業に興味が有り、知りたい方は、こちらをご覧ください。
スタッフの皆さんでホイールの肉盛り溶接を試され、結構楽しんでおられました。
こちらの工場さんでは、Benzのホイールの修理が多いみたいで、置いてあった他のホイールも
見ると、どれも大きくて肉厚が厚いので、デモをしたWT-TIG200(最大出力電流200A)より
余裕のあるWT-TIG315(最大出力電流315A)をお勧めしました。
そしたら社長は一つ返事で、「それじゃあ、それ頼むわ」と即答でご注文を頂きました。
ありがとうございました。
実際にアルミホイールの溶接作業を始めると判らないことが多々出てくると思います。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せを頂ければと思います。