2021年08月12日
こんにちは、関東営業所の磯部です。
今回は溶接デモを見てもらったあとに即購入頂き、そして溶接機を持帰る前に即使える
ように溶接講習までを行いましたのでご紹介したいと思います。
お客様はボイラーを販売され据付けまで行われる会社です。
ボイラーの煙突(ステンレス製)の組立て時にダクトとフランジを取付ける際に、
今までは接着材で着けていたが最近は溶接するように成ってきた。
フランジの厚みは3.0mmですが、ダクトの厚みはなんと1.0mmと薄く、溶接するには
熟練でないと難しい。
そこで、「マイクロTIG溶接機を使って未経験者でも容易に溶接できないか?」
とのご要望でした。
実際に使用される煙突をご持参いただいたので溶接してみました。

ダクトの上に見えるのがマイクロTIG溶接機です。判り難くてすみません。
このサイズ(小型軽量)でも最大出力電流は、なんと250A!(板厚10mm程度まで溶接可能)
先ずは仮付け溶接をしてみましたが、これは難なく溶接できました。
仮付けだけするのであれば通常のTIG溶接でも慎重に溶接すれば問題なくできますが、
全周を溶接しなければならないので、薄いダクト側が穴が開いてしまうのが怖い…
いや、間違いなく穴が開く 🙁
そこでマイクロTIG溶接すれば、ミリ秒単位の瞬間的な溶接の繰り返しなので、安心して
確実に溶接できます。 3cm位の長さを溶接してみましたが、すんなりとできました!
これを見て即購入いただきました。そして、溶接機を納品、持帰ったあと直ぐに実作業ができ
るようにと、そのまま溶接講習を行う事に成りました。
社長は先に仕事に戻り、2名の作業者の方達が居残り講習しました。
一人は若干の溶接経験有り、もう一方は全くの初心者でしたのでマイクロTIG溶接だけでなく
通常のTIG溶接もできるように基本から練習しました。


やはり、最初はアークを出し溶融プールをつくる。
次に溶接トーチの角度、そして、タングステン電極の先端と鉄板の距離を一定に保ちながら
溶融プールを前へ移動し、幅を揃えつつ鉄板の上をナメていきます。
それに慣れたら、実際に2枚の鉄板をなめ付け(共付け)溶接をしてみます。

続いて、今度は溶接棒を入れる練習をします。


二人で交代交替に入替りながら練習しました。人が溶接している処を見るのも
「人のふり見て我がふり直せ」と言うことわざの通り大事な練習方法のひとつです。
自分が溶接している時には、緊張していて余裕が無いですが人の溶接を見ている時には、
落ち着いてトーチ角度、溶接棒の入れ方や溶接状態などを観察できます。
溶接棒入れをたくさん練習しました。 お疲れ様です! 😀
それでは実践に向けて、マイクロTIG溶接で似たような板組み(1.0+3.0mm)で重ね
溶接をしてみます。
通常のTIG溶接の練習で苦労したせいか、マイクロTIG溶接の簡単さに驚いてました 😯

それでは最後に、いよいよ本番でダクトとフランジをマイクロTIG溶接してみます。


仮付け溶接は難なくできましたが、断続して溶接していくとやはりトーチ角度とか狙い位置
(距離)が定まらず思うようにいかないようです。また、隙間が有ると余計に難しくなります。
隙間を埋めるためには、溶接棒を入れなければならないのですが、今回の溶接の場合
には、隙間が無い処から溶接をしていくと冷えて固まる時に薄いダクトがフランジ側
に引張られて隙間が縮んで無く(狭く)なっていき溶接棒を入れなくて済みました。
あらかた試し、なんとか溶接できるように成ったので今日のところはここまでにし、
この後はこのダクトを持って帰って更に練習するそうです。
お疲れ様でした!明日から実践で頑張って下さい。
この度は、マイクロTIG溶接機をご購入いただき、そして、溶接講習にもご参加いただき
ありがとうございました。
また何かご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
弊社の溶接機をご購入いただくと丁寧な操作説明から溶接講習まで行いますので、
初心者でも安心してご使用いただけます。(弊社にご来店頂いた場合)
今回使用した機種の詳細はこちらよりご覧になれます。
(クリックすると別ページに表示されます)
https://www.weldtool.jp/contents/welding-lesson