2021年06月18日
こんにちは、関東営業所の磯部です。
昨日、溶接講習を開催しましたので簡単にご紹介したいと思います。
参加者は最近、弊社のTIG溶接機とプラズマ切断機を購入されたお客様です。
以前から大手メーカーさんのハイスペックな溶接機を持っていましたが、仕事柄(特装車整備)
移動して使用することが多いため、購入頂いた両機とも軽量コンパクトで判りやすく使い易い
ので「便利に使っているよ」と、言って頂きました。ありがとうございます。
さて、講習内容はアルミ、ステンレスのTIG溶接です。
先ずは、アルミのTIG溶接です。
既に実践で経験されているので、「どうして?、なぜ?」「上手くいかないんだろう?」
など疑問点を聞き、アルミ溶接の特性を絵に書いて説明しました。
そして、それを頭に入れて溶接してみてもらいました。
アルミの板を最初に溶接棒無しで、なめ付けで溶融プールの状態(溶け方)を確認して貰い、
その後、溶接棒の入れ方やタイミングの練習をしました。
その中で、特に溶接棒の送りが思うようにいかなく困っているようだったので、
溶接棒の持ち方を2、3パターン説明しました。
続いて、ステンレスのTIG溶接です。
板厚は3mmです。電流を100A⇒110A⇒120Aと変えていき、溶け加減、焼け加減を確認
してもらいました。
ステンレスの薄板は、溶かし過ぎるとプールがふらつきビードが揃わず、また、焼けて
(酸化して)黒くなってしまうので、適正な溶接電流値と溶接速度に気を付けてもらう
ようにしました。
そして、パルス制御の使い方がよく理解できていなかったそうなので説明しました。
パルス制御(溶接)を使って、入熱(酸化)を抑えるとステンレス特有の光沢、色合いが出ます。
(光沢が有るのがパルス有りで、明らかに黒っぽくなっているはパルス無しです。)
周波数 1.5Hz~5.0Hzとパルス幅を変えて試しまた。
また、パルス制御の効果が発揮される便利な使い方を、ステンレスとアルミの薄板の角を
ナメ付けで、パルス周波数を変えて溶接してみました。溶け込み方と鱗ビードの違いが
よく判ります。
最後に、今まで実戦で困った時の原因と解決方法を私が判る範囲でお答えしました。
・溶接中に”ボー”となる!?
(母材の裏面に塗膜や汚れ、油などが有り、それが焼けてガスと成り出てくる事が原因かも)
・溶接強度について(脚長とのど厚)
・薄板の半自動溶接で穴が開きやすい時は?(ワイヤ経を細くし溶接電流を下げてみる)
・水冷式トーチは必要?(メリット、デメリット)
などなどをお話しました。それが少しでも解決に役立ってくれると良いと思います。
「あとは会社に戻って、繰り返し溶接しないと覚えないね…」と、
普段は主の仕事が忙しく中々時間が取れないようで、今回の講習が少しでもお役に立ち、
実戦で経験を積んで身に付けるてくれれば良いですね。
お帰りの際には、「こういう溶接を学ぶ場や基礎知識的な事を教えてもらう機会が無いので、
また改めて他のスタッフも講習に参加させたい!」と、言ってもらい講習した甲斐がありました。
今回は、溶接講習にご参加いただきありがとうございました。
また何かご不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さい。