2023年05月25日
こんにちは、
販売店さんを通じて自動車鈑金塗装工場さんから、TIG溶接機のデモ依頼がありました。
工場さんの要望は、「エンジンのシリンダーヘッド(アルミ)のクラックを溶接して補修したいが…
、デモして見せて欲しい」との事でした。
溶接デモする機種は直流・交流TIG溶接機 WT-TIG200Sにしました。
今回はシリンダーヘッドがアルミなので<交流>の溶接機能が必要です。
後は、車の鈑金屋さんで、普段の溶接は薄板が主なので出力電流 最大200Aで十分です。
(これでも板厚8mm位まで厚い板も溶接可能です)
工場に訪問すると、驚き! 😯
10年位前(以前の会社)にパルスミグ溶接機(イタリア製)を納品した工場さんでした。
その当時、溶接機のデモと納品をした程度なので、工場の方達は自分の事を覚えていないだろうと
思いましたが、会って直ぐに社長さんから、「前に来たよね!」と言われ、
「え~、あの赤いパルスミグ溶接機の納品の時に…」覚えていてくれて、とても嬉しかったです。
そのパルスミグ溶接機は、半自動溶接機でアルミ溶接もできるのですが、今回のシリンダーヘッドの
クラックの溶接には不向きです。工場さんでも判っており、今回、TIG溶接でのデモに成りました。
半自動溶接の場合、始端部の溶け込みが悪くなってしましますし(熱伝導の良いアルミは特に)、
また、巣穴も出やすいです。
それで、TIG溶接で確りと熱を掛けて良く溶かしながら溶接しなければなりません。
では、シリンダーヘッドのクラックの溶接ですが、
けっこう大変な作業で、作業途中の写真を撮っている余裕がなく画像がありません。
と言うのも、シリンダーヘッド(エンジン)は、車に乗ったままで、エンジンルームの上に
しゃがんだ姿勢で、そして、クラックはシリンダーヘッドの外側ではなく、内側の入組んだ奥
でTIGトーチがギリギリ入るか入らないかの狭い箇所でした(これが一番大変でした 😥 )…
なので、溶接が終わった時の画像しかありません。
因みにこのエンジンは、35~40年前の今では希少価値の高い車です。(部品の入手困難のため!)
作業内容と溶接のコツをざっくり説明しますと、
① よく脱脂洗浄をする。
・特にオイルを確りと拭き取らないとガスが発生し溶接が上手くいきません。
・また、溶接中にシールド性が悪いと溶接棒が上手く入らない。
② クラックを削ってV型開先加工をする。
・開先加工をしないと溶け込みが浅く溶接後にまたワレる
③ 溶接1層目は、確りと溶け込ます。
・特に溶接スタート時は、溶け出すまでじっくりと待つ(アルミは熱伝導が良く熱が逃げるため)
※予熱(予めガスバーナーなどで炙る)を行うと効果的。
④溶接2~3層目、余盛する。
・溶接強度を強くするため
<参考> 今回、溶接個所が狭く斜め横から溶接棒を入れる(通常)スペースが無かったので、
溶接棒の先端を入れやすい角度に曲げて上から入れました。
なんとか作業が終わるとお昼時間が過ぎており、社長が気を遣ってくれてスタッフの方達と一緒に
ラーメン屋さんに食事に連れて行ってくれました。(ありがとうございます。 😆 )
食事が終わり、溶接作業も無事に終わった処で、使用したTIG溶接機を快く購入いただきました。
予め新品をデモ機と一緒に積んで行ったので、即納品、セッティング、取扱い説明を行いました。
丁度、パルスミグ溶接機のカートの下が空いていたので、そこに置いてセッティングしました。
後は、操作説明ですが、このTIG溶接機はオート機能が有るので材質と板厚を選べば自動で最適な
溶接電流が設定されるので、煩わしい設定が要らず簡単に説明が行えました。
最後は実際に鉄板 1.0mmとアルミ板 1.0mmと3.0mmで溶接を試して貰い、TIG溶接の方法を
レクチャーしました。
さすが鈑金の職人さんなので、鉄板とアルミ 1.0mmの難しい薄板でも、直ぐにコツを覚えて
器用に溶接してました。
特に鉄板の薄板(外板パネル)の突け合せ溶接(ナメ付け)がキレイに溶接ができて驚いていました。
この度は、弊社の溶接機をご購入頂き誠にありがとうございました。
また、撮影にご協力頂きありがとうございました。<(_ _)>
また何かご不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さい。
近県であればデモにお伺いしていますので、希望の際はご連絡ください。
(福岡と埼玉に店舗があります。もちろん来店もOKです。)
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